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【エトジュン】『ビューティフルドリーマー』(夢と悪夢の話)

   ↑  2014/02/01 (土)  カテゴリー: エトジュン
今回は「夢」と「悪夢」に着目して『ビューティフルドリーマー』を見ることにしよう。


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まず、本作の舞台は「ラムの夢」の世界である。それを作ったのは、夢邪鬼という妖怪だ。

夢邪鬼「ワテねえ、長いあいだ捜し求めておりまして。途中で悪夢に変わったりせえへん純粋な夢、永遠の夢の世界を作りたい。あんたんなら大丈夫。ワテには分かりまんねん。さ、聞かせておくれやす」

ラム「ウチの夢はね、ダーリンとお母様やお父様やテンちゃんや、終太郎やメガネさんたちとずうっと、ずうっと楽しく暮らしていきたいっちゃ。それがウチの夢だっちゃ」


こうして「ラムの夢」の世界が始まった。

さて、筆者が着目したいのは「夢」と「悪夢」である。

夢邪鬼「ワテが作るんは、そのお人が見たいと思とる夢だけや。そやから夢が邪悪なもんになったんやったら、それはそのお人に邪悪な願いがあるからや」

[…]

夢邪鬼「ええ夢かてぎょうさんおましたんやでェ!せやけど、みんな長続きしまへんねん。みんなワテを追い越して悪夢になって、最後はがしんたれに食われてしまいまんねん」


なるほど、夢邪鬼によれば「そのお人」の「夢」が「そのお人」の「悪夢」になって、最後はがしんたれに食われてしまうらしい。

がしんたれとは役立たずのことであり、ここではバク(悪夢を食う伝説の獣)のことである。

また、夢邪鬼によれば「ラムの夢」は「途中で悪夢に変わったりせえへん」夢であり、それは永遠に続くはずだった。ところが、あたる(主人公)によってぶち壊されてしまう。

夢邪鬼の弱みを握ったあたるは、取引として「あたるの夢(ラム抜きのハーレム)」を実現させるが、それが「悪夢」に変わってしまい、バクを呼んでしまう。バクは「あたるの夢」はもとより「ラムの夢」まで食ってしまった。

それでは「ラム抜きのハーレム」が「悪夢」に変わったのはなぜだろうか。それは、あたるが「ラム入りのハーレム」を求めるようになったからである。

あたる「ラム抜きのハーレムなど不完全な夢、肉抜きの牛丼じゃ!そんなモンぶち壊しておれは現実へ帰るぞ!」


このように「あたるの夢」が「悪夢」に変わったのは、あたるの願望が変わったからである。人間の「夢」が「悪夢」に変わるのは、人間の願望が変わるからだといえるだろう。

そして「ラムの夢」が「途中で悪夢に変わったりせえへん」ということは、ラムの願望が変わらないということであり、ラムがビューティフルドリーマーだということである。

さて、すべてをぶち壊したあたるは夢邪鬼の怒りを買い、新たな悪夢に閉じ込められてしまう。そこであたるを救うのは、幼少期のラムである。

ラム「お兄ちゃん、どうしても帰りたいの?」

あたる「お兄ちゃんはね、好きな人を好きでいるために、その人から自由でいたいのさ。わかんねェだろうな。お嬢ちゃんも女だもんな」


なるほど、あたるは「ラム入りのハーレム」を求めながら、ラムからは自由でいたいのだ。それは『うる星やつら』における「現実」そのものである。

ラム「教えてあげようか?」

あたる「え?知ってんの?現実へ帰る方法知ってんの?」

[…]

ラム「その代わり約束してくれる?責任とってね」


こうして、あたるは「現実」に帰還する。

ラムのいう責任とは「ラム入りのハーレム」を求めることに対する責任だ。あたるは、これからもラムを求め続けなければならないのである。

(記事編集) http://buraihamegane.jp/blog-entry-62.html

2014/02/01 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑↑↑ |