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【九森信造】変化することを許されたガールズユニット:東京女子流

   ↑  2014/04/20 (日)  カテゴリー: 九森信造

アイドルの価値は「ここにいたこと」を体現することである。その時代、その場所でしか発揮できなかった輝きを最大限に表現する。ある意味では、最上級の刹那的な魅力を提供する人やグループがアイドルの定義である。(九森)


今回は、アイドル論となります。BON-BON-BLANCOの記事を読んでいただければ、わかりやすくなるかと思います。

私は、BON-BON-BLANCOの「バカンスの恋」(2003年)以降、アイドルの現場から少し離れました。それは、アイドルがあまりに因果な商売だと感じたからです。

冒頭に掲げた定義を裏返すと、アイドルというのは、10代の女の子が一瞬の輝きと引き換えに大きな代償を払う商売です。特にモーニング娘。の初期メンバーのその後を見て私が感じたことでした。

私をアイドルの現場へ戻したガールズユニット、東京女子流

しかし、忘れもしない2010年10月、ある曲を聴いて私は改めて現場への復帰を決めました。


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2010年は「ヘビーローテーション」でAKBの本格的ブレイクが始まった年でした。私はまたもや世間がアイドルを安易に受け入れつつあることを懸念しながらも、いわゆる「アイドル戦国時代」の調査を始めました。

動画サイトを巡回しているとアイドルという名前だけで多くの関連動画が出てきます。どれもみんな昔聞いたようなフレーズとメロディーでした。

そこで、気になるアーティスト名とタイトルが出てきました。

「東京女子流/ヒマワリと星屑」

東京で生きることを選ばなかった私。星屑という名前にも自分と浅からぬ因縁を感じ、URLをクリックしました。イントロでかかったカッティングの効いたギター音、それだけでもう自分のライフタイムベストになったといえます。

実際に曲を聞いてもらわないとこの衝撃はわからないと思いますが、私にとってはBON-BON-BLANCOの「バカンスの恋」以来の衝撃でした。

また、野宮真貴とともにPIZZICATO FIVEを結成していた小西康陽も、同曲を「Jacson Sistersの『I Believe in Miracles』を超えた」と評しています。

「I Believe in Miracles」は、フレーズを聞けば知らない人はいないであろう名曲です。

ただ、私にとって一つの懸念がありました。東京女子流の所属事務所がA社ということです。A社はこれまで時代をリードしたプロデューサーやアーティストを多く輩出してきた一方で、目の前の売上重視でアーティストをすり減らすような企画も多く見られました。

あるアーティストに12週連続でシングルを発売させる動きなど、投資分を急遽回収することだけを狙った企画かと勘ぐったこともあります。

私は、現時点での「アイドル」でありながら、そこから脱皮していく可能性のあるガールズユニットの行く末を案じました。

お気づきかもしれませんが、私は東京女子流に対しては「アイドル」とはいわず、ガールズユニットと呼ぶようにしています。確かに、便宜的に「アイドル」と呼ぶことはありますが、あくまで便宜的にです。

東京女子流のコンセプトは「音楽の楽しさを歌って踊って伝えたい!」

彼女たちのオフィシャルサイトに以下のような文章があります。

常に驚きと刺激がいっぱいの『東京』。
次に何が起きるのか分からない『東京』。
そんな『東京』のような、成長と驚きを絶えさせないグループになりたい、
日本からアジア全域、そして世界に向け発信したいという目標から、
『TOKYO』という名前を冠にしたグループ名で、
彼女たちだけのスタイルを追求する。


冒頭に掲げたアイドルの定義を思い返していただきたいと思います。アイドルが「ここにいたこと」を体現する存在だとすれば、アイドルは刹那的にしか生きることができません。

私は「バカンスの恋」の素晴らしさを以下のように述べました。

あの「バカンスの恋」は、アンナ自身があの頃にしか歌えなかった歌を等身大で歌いきっており、文字どおり「ここにいたこと」を記録に残しているわけです。(九森)


BON-BON-BLANCOは二度と2003年の夏の輝きを取り戻すことはありませんでした。あの当時の彼女たちにとって、変わってしまうことは最高潮から落ちていくことであり、私は今も2003年の夏でパッケージングされた彼女たちを思い続けています。

東京女子流が「アイドル」だとすれば、今のような展開はしないでしょう。同世代のアイドルグループであるももいろクローバーZに対して、東京女子流はあえてその逆をいっているように思います。

小見出しにも挙げた「音楽の楽しさを歌って踊って伝えたい!」というコンセプト、そして「変化」を前提にしたユニット名があらわしている様に、彼女たちは成長や進歩、変化することを許されたユニットなのです。

変化しなければいけないからこそ、未来と今が見えてくる

これは私見ですが、運営側は、コンセプトに則っていない売れ方を否定しているように見えます。彼女たちをパッケージングして保存したいというファンは切り捨てているのではないでしょうか。

特に、彼女たちのすべての楽曲には松井寛という編曲者が関わっており、独特の世界観と高い評価を得ています。そう、彼女たちのキャリアには少し大人なかっこいい音楽が寄り添っているのです。

もちろん、アイドル的な「ここにいたこと」の輝きも彼女たちは持ち合わせていますが、本質的にはその大人な楽曲や世界観に背伸びしている彼女たちの成長(変化)こそが魅力なのです。

だから、彼女たちの目線の先にはいつでも未来、理想があります。そして、未来や理想があるからこそ、突飛なことはできない。一か八かの大きなリスクを抱えた勝負は未来に対する無責任感によるものです。

大きなリスクを抱えないからこそ、劇的な変化は起こせないかもしれない。一世風靡もできないでしょう。しかし、それゆえに身に纏うことができるものがあります。他のアイドルになくて東京女子流にあるもの。それは「品」です。

品のあるガールズユニット、それはアイドルというよりも宝塚やバレエダンサーに近い存在なのかもしれません。

東京女子流のこれからに期待してください。

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(記事編集) http://buraihamegane.jp/blog-entry-57.html

2014/04/20 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑↑↑ |

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